ハラスメント防止研修では、いつも最終的には、コミュニケーションの大切さに触れることになります。
では、コミュニケーションとは何なのか、今回、考えてみることにしました。
コミュニケーションの定義は、社会心理学では、学者の数だけあるそうです。その中でも、大きく3つに分けられるといわれています。
(以下は、「コミュニケーションの力」〜人間関係づくりに不可欠な能力〜渡邊忠・渡辺三枝子著 一般社団法人雇用問題研究会より、概要)
1.何らかの意味を「送り手」が「受け手」に伝達し、「共有する過程」
2.「送り手」が「受け手」に何らかの「影響を及ぼす過程」
3.「送り手」と「受け手」が応答し合うことによって「関係が作られる過程」
人間の「こころの動き」を、18世紀ドイツの哲学者テーテンスは、「知」「意」「情」の3つの領域に分けて考えたそうです。
わかりやすくしたものが上の図です。(ChatGPTとの共同製作)
少し補足すると、「送り手」のこころの内面には、「送り手」の価値判断に基づく「知」の領域、「受け手」にどうして欲しいかという意図である「意」の領域、そのときの感情「情」の領域があり、その背景というか土台にも様々な要素が、重層的に含まれています。
こうした重層的な内面を抱える「送り手」は、事柄的な情報を、言語・非言語を通じて、「受け手」に送ります。
「受け手」は、自分なりの解釈をします。このとき、必ずしも「送り手」の意図や真意が正確に受け取られるとは限りません。「受け手」自身にも、「知」「意」「情」と背景があり、「受け手」なりの解釈になります。
そして、どう解釈したかを、今度は、「受け手」が「送り手」にメッセージとして送ります。これがフィードバックと呼ばれるものです。
そして、当初の「送り手」は、「受け手」となって、フィードバックを受信します。
コミュニケーションは、こうした双方向のやりとりです。なので、一回、送信すれば終わりというものではなく、絶えず変わり続け、それは、まさに「過程」です。
また、実際は、もっと複雑な要素が加わると思われます。
「傾聴」が必要といわれるのは、この双方向性によるものです。
こうして、図解で見ると、コミュニケーションは「基本的に人との違いから出発する」といわれるのも納得です。
コミュニケーションの目的は、「送り手」が「受け手」にこうして欲しいという要求を成就することといわれてます。
一回で、わかってもらえるのは、殆ど奇跡のようにも思えます。
ここに、さらに、現代は希薄化したといわれていますが、様々な共同体というものが絡み合います。
例えば、職場では、企業という共同体は、組織の目的を達成するために、規則に則って、必要な権限や責任を管理職に付与します。
管理職が、「送り手」として、「受け手」の部下に、メッセージを送るとき、そこには、権力関係、あるいは、企業という共同体が、絡み合います。
上司からのメッセージを、「受け手」は、強制力を伴ったものとして受け止めます。
「送り手」が、このメカニズムを認識していないと、ハラスメント問題に発展する危険性があります。
〜続く〜
先日、広島交響楽団の呉定期演奏会がありました。
二曲目の交響曲「宇宙戦艦ヤマト」が、非常によかったです。アニメファンでもなく、期待も先入観もなかったのですが、とても素晴らしかったです。ヴォカリーズといわれるソプラノの声も、若手のヴァイオリン、ピアノ、それから団員の皆さんも生き生きした演奏でした。熱量がとてもよかったです。何より、観客と一体となっていたように感じました。

作成日:2026/08/03
コミュニケーションのメカニズム








