カスタマーハラスメントとは、厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」によると、
顧客等からのクレーム・言動のうち、
当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、
当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上、不相当なものであって、
当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの
となっています。
正当なクレームや要求は、消費者の権利(消費者基本法第2条)であることはいうまでもありません。そうした意見や苦情によって、商品やサービスの質の向上に繋がります。
一方、カスタマーハラスメントは、商品やサービスに瑕疵がない場合、またはあったとしても、その要求の手段・態様の悪質性が高い場合をいいます。
カスタマーハラスメント対策は、他のセクシュアルハラスメントや、マタニティハラスメント、パワーハラスメントのように企業内の措置で終わらないため、難しさがあります。
また、業種、業界、企業文化などで、考え方が異なるため、対応に明確なひな形があるわけではありません。
とりかかりとしては、
事前の準備として、
事業主の基本方針・姿勢の明確化、従業員への周知・啓発、従業員のための相談対応体制の整備
そして、対応方法、手順の策定が必要となります。
この対応方法・手順の策定、いわゆるマニュアル作りが、ポイントです。
抽象的なものでなく、より具体的なものを策定されることをお勧めします。
また、現場対応者だけでなく、組織で対応する姿勢が重要です。
ハラスメント行為が起こった場合の際の対応においては
事実関係の正確な確認、対応と、何より、従業員への配慮、
再発防止のための取組、
それによる対応マニュアルのバージョンアップと、継続して取り組むことになります。
併せて、個人情報保護や不利益取り扱い禁止はいうまでもありません。
一昔前は、苦情を処理して一人前といった個人スキルのように捉えられていた時代がありました。
しかし、商品・サービスを提供する従業員も、顧客、利用者等も、立場が違えど、お互い、対等であること
底流には、人権の尊重という意識、時の指導者が誰になろうと、文化や慣習が違おうと、
人権尊重の意識の進化は止められないと感じています。

作成日:2025/02/05
カスタマーハラスメントU