お知らせ
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作成日:2023/09/24
人権デュー・ディリジェンスV



国連のビジネスと人権の作業部会のミッション終了ステートメントの指摘を受けての芸能事務所の件について
各ステークホルダーは、

今一度、
「令和4年9月、ビジネスと人権に関する行動計画の実施に係る関係府省庁施策推進・連絡会議の
責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」の
ご一読をお勧めします。

「人権DDは、企業が自社・グループ会社及びサプライヤー等における人権への負の影響を特定し、防止・軽減し、取組の実効性を評価し、どのように対処したかについて説明・情報開示していくために実施する一連の行為です。
…人権侵害が存在しないという結果を担保するものではなく、ステークホルダーとの対話を重ねながら、人権への負の影響を防止・軽減するための継続的なプロセスです。」

蔵元左近弁護士 (日本国弁護士、ニューヨーク州弁護士 日本記者クラブ2023.07.21)
がいわれています。

国連の指導原則は、従来のコンプライアンスの考え方とは違う。
パラダイムシフトがおきている。(パラダイムシフト:その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう。ウィキペディアより)
視点を、被害者救済や保護のために、企業は、どういう責任を負って、どういう対策をとるべきかと
いう発想にたった文書である。

取引停止は最後の手段であって、最初の手段ではない。
被害者救済のため、企業は人権保護のために、何が大事か影響力を行使する。
対話、協働、モニタリング、開示…

そして、その過程を公表していく。透明性が必要。

ガイドラインのP29

「企業は、自社が人権への負の影響を引き起こし、又は、助長していることが明らかになった場合、救済を実施し、又は、救済の実施に協力すべきである。
他方で、…略

適切な救済への負の影響又は組み合わせは、負の影響の性質や影響が及んだ範囲により異なり、人権への負の影響を受けたステークホルダーの視点から適切な救済が提供されるべきである。具体例としては、謝罪、原状回復、金銭的又は非金銭的な補償のほか、再発防止プロセスの構築・表明、サプライヤー等に対する再発防止の要請等が挙げられる。」

何より、被害者救済、

そして、再発防止、

以下は僭越ながら、私見です。
再発防止には、原因究明が必要だと思います。
作業部会からメディアの責任が指摘されているなら、メディアは共同で、第三者委員会などを立ち上げ、
被害者の心のケアやプライバシーに配慮しながら、原因究明をしていくことが求められていると思います。

そして、その経過を逐次、公表していくことが必要だと思います。
この問題を、一企業の一業界の問題としてではなく、社会問題と捉えるべきでしょう。
日本の社会の縮図のような気がします。

基本的人権は、人間が生まれた瞬間にぱっと発生する権利です。
誰もが等しく、家庭であっても、学校であっても、職場であっても、社会であっても、立場は違っても、人権の重さに変わりはありません。

人権保護が被害者視点に変わったということは、そうした基本中の基本が侵害され、放置され続けているという危機感の表れではないでしょうか。

理想と現実は違うよといわれるかもしれませんが、だからこそ実態を究明し、理想とのギャップを埋めていくことに一刻も早く取り組む必要があるのではないでしょうか。

互いの人権を尊重する意識があるなら、究極の究極、戦争は起こらないはずです。

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