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作成日:2023/08/14
ビジネスと人権U



国連ビジネスと人権の作業部会 ミッション終了ステートメント 日本記者クラブ2023.08.04

人権を尊重する企業の責任

3つの根本的問題
第1に、各種企業間で、UNGPs(国連ビジネスと人権に関する指導原則)の理解と履行の間に大きなギャップがあること。
大企業と、日本の企業の99.7%を超える中小企業との間に大きな認識の隔たりがあるため、多くのステークホルダーは、政府が中小企業にあったガイダンスと能力構築支援の提供する必要性を重視していること。

第2に、ビジネス界の様々なステークホルダーは、政府がUNGPsのピラー1に基づく義務をもっと積極的に果たす必要性を指摘していること。
企業の代表からは、強化型HRDD(人権デューデリジェンス)と責任ある撤退の実施方法から、バリューチェーンの規制に至るまで、実践的なガイダンスの提供を政府にはっきりと求める声も上がった。ヒアリングの殆どの企業はHRDDを義務づけることが望ましく、これによって企業間に「公正な競争条件」が生まれ、政府の政策や基準との整合性も高まる。HRDD要件を厳格化しない限り、中小企業にUNGPsを採用する動機は生まれないというのが、ビジネス界の意見。

第3に、タイムリーでそれぞれの企業に合わせた、ニーズへの対応を基本とする能力構築が必要という声。UNGPs関連の啓発と研修、人権関連の監査を行う人材の育成、中小企業によるステークホルダー・エンゲージメントを改善するためのガイダンスなど、大企業、市民社会とともに政府が関与することの重要性。

横文字が多くてすみません。

ご参考

ピラー1…公正な競争条件の確保という考え方の下、多国籍企業が課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行うことがないよう、国際課税ルール全体を見直し、世界経済及び企業行動の実態に即したものとするとともに、各国政府、多国籍企業の透明性を高めることをめざしたBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトの最終報告で示され、137のOECD(経済協力開発機構)加盟・非加盟の国・地域が参加する会合で合意された。
通常の利益とみなされる一定額を超える利益を超過利益とみなし、その超過利益の一部の課税権を市場国に配分する等…。

人権デューデリジェンス…人権への影響を特定し、防止し、軽減し、そしてどのように対処するかということに責任を持つためのプロセス。これには、現在発生している実際の影響と、将来発生する可能性のある潜在的な影響の両方が含まれる、人権デューデリジェンスは、それ自体が目的ではなく、人権を尊重し、被害を防止するという目的のための手段。人権デューデリジェンスの重要な要素は、ステークホルダー、特に従業員、コミュニティメンバー、人権擁護者、サプライチェーンの労働者、消費者などのライツ・ホルダー(人権の主体となる人)との有意義なエンゲージメント。

    (経済産業省HP、責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドラインより)

作業部会のミッション終了ステートメントは、アップされています。A4用紙9枚なので、是非、ご一読ください。


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