作成日:2023/05/23
「人口減少 80万人割れの衝撃」V
ゼレンスキー大統領の電撃、来広には、衝撃を受けました。
そのエネルギッシュな行動力には、ただただ敬意を表します。
無事に帰国されて正直ほっとしております。
子どものころから、原爆、平和学習を学んだ身としては、「広島ビジョン」を具体的にどう実現するのか注視したいと思います。
さて、少子化について
「なぜ、少子化はとめられないか」
藤波匠・(株)日本総合研究所上席主任研究員 日本記者クラブ2023.05.12
藤波匠氏は、既に国の政策に深く関わっている方々が登壇されているので、今さらと思うがと前置きされ、
勘違いや時代錯誤、思い込みに基づく政策が散見されるとご指摘されています。
いま、足下で何がおこっているのか
婚姻率の低下は事実だが、2016年以降の少子化加速の主因ではない。
最も大きいのは人口要因。若い人、女性の人数が減っている。
出生率押し上げ要因だった有配偶出生率要因が、押し下げ要因となり、振れ幅の大きさが主要因といえる。
2015年以降、晩婚化に歯止めがかかり、結婚する人はある程度の年齢までに結婚している。
また、社人研の「出生動向基本調査」によると、18〜19歳に限れば、9割近い人が結婚意欲があり、
特に、女性で一生結婚するつもりのない人の割合は低い。この点を忘れてはいけない。
衝撃的だったのは、いままで普遍的と考えられていた「結婚したら子どもはもつべきだ」に否定的な未婚者が
女性36.6% 男性5割 2021年調査(コロナ禍ではあったが)、
「出生意欲の低下」 結婚と出産を分けて考える思考への移行が見られる。
女性の未婚者の非正規雇用者の33%は、非婚就業傾向にあり、正規雇用では19.4%
女性は10代では結婚意欲があっても、社会にでて働くうち、積極的非婚というより、そうなってしまうだろうと考えるようになるのではないか。
少子化は、
女性は、非正規雇用の影響が大きく、
男性は賃金低下の影響が大きい。
男性正社員でも、若い世代、低収入になるほど、希望子ども数は低下している。
なぜ低所得かというと
経済危機になるたびに、若い人の賃金が抑えられ(バブル世代と団塊ジュニアの年収差150万円)
バブル崩壊後、大卒者が増えたのに、高度人材を受け入れる産業が増えてこなかった。
一生、結婚するつもりのない人の割合(35歳未満)は、年収とリンクしている。
いわゆる少子化対策だけでは、少子化は改善しない。少子化における経済の要因は見逃せない。
児童手当について、増額に反対しないが、多子加算は逆効果。
大家族が減っているというのは誤解。「人口動態統計」では、多子世帯は上昇傾向。
では、足下で何がおこっているか
第1子にたどり着けない世帯の増加。子どものいる世帯が中高所得層に偏ってきて、
低所得層で、第1子にたどりつけない世帯の増加。
多子加算をすると、第1子を生もうというインセンティブが低くなる。
2030年までがラストチャンス
団塊ジュニア(一人っ子が多かった)の子どもたちが出産の中心世代で、2022年婚姻率はわずかに増えているが、彼女たちが結婚しても子どもをもとうと思うかはわからない。
そもそも、なぜ、少子化対策が必要なのか?
国として社会保障の機能と経済成長のため?
そんなことをいっても若い人の心には響かない。人は国のために子どもをつくるのでない。
若い人の心に寄り添い、自分の幸せ、人生の選択の一つとして、出産がある。
経済、雇用の不安定さから、結婚、出産が選択肢からこぼれ落ちている。
様々な障壁により、結婚、出産を断念している層への配慮が必要。
最大の問題は、経済の二局化。
そしてジェンダーギャップ。
国のあるべき姿は、「若い世代の多様な選択を支えること」
児童手当の増額に反対しないが、子育て支援が届かない人たちへの対応も必要。
経済、雇用環境の改善は不可欠。
女性に偏る仕事と家事の負担の解消、「男性の家庭進出」
財源は、拙速な社会保険料アップ、増税は要注意。企業負担増は、賃金にも影響し、
若い世代、特に未婚や子どものいない世帯のマインド悪化や過重な負担となるだろう。
当面は、歳出削減や税の自然増を活用。
政府は、将来どれくらいの手当にするかいついつまでにこうすると約束する。
恒久財源は、各政党が政策を出し合って国民の信を問う。
夢物語かもしれないが、何よりの少子化対策は、経済成長で賃金をあげていくこと。
若者の選択する幅を拡げる。
ブームとして、若い人は結婚の意思がない。子どもはいらないという人がいる。それなら、生みたい人を応援したほうがいいというのは、分断を招くだけ。そんなところに二極化を作って、先進国のあり方としてどうなのか。
「低所得の人を底上げし、結婚、出産がちゃんと人生の選択肢に入っていく社会にしていく。」
あるべき姿、企業でいえばビジョンでしょうか。
国はどう思っているのでしょう?
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