濱口桂一郎氏のお話
「採用差別の禁止」
ジョブ型社会における採用差別がなぜ悪いのか、理解している日本人は少ないのではないか。
ポリティカル・コレクトネス、それは勿論あるが、
日本以外では、
契約自由の原則、市場社会の基本原理「採用の自由」の原則を、
採用とは、特定のジョブに、資格、経験等から最適の労働者を当てはめるものであり、
当該ジョブに最も高いスキルを有する労働者がいるにもかかわらず、人種、性別等の属性への差別感情から、採用拒否する。
あるいは、
スキルが明らかに低いと思われる労働者を採用してしまうことが、
「非合理」ゆえ、「ジョブ型社会の原則に反する」から、だめなのである。
日本型採用法理は、市場社会の大原則そのままではない。
ジョブ型社会では、すでに大修正されている原理が、一見維持されているかのように見えるが、
実は、メンバーシップ型社会特有の採用のあり方がもたらされている。
本当のジョブ型になったら、採用判断の是非には、そのジョブにふさわしいスキルの有無で説明しなければ
ならない。
相性では通用しない。
そういった厳格な社会に、本気で、する気がありますか?
このロジックが、日本人が一番、理解できていないところ。
ジョブ型雇用は、
企業が労働者を必要とするとき、その都度、採用する(欠員募集)
だから、採用権限は、労働者を必要とする各職場の管理職にある。
ドイツなどは、管理職の定義は、採用と解雇の権限があることだが、
メンバーシップ型では、採用権限は、本社の人事部にあり、
新卒者に長期メンバーシップの付与判断をする。
ジョブ型は、同一職務で昇進していくのが原則、定期人事異動ではなく、企業内外の空きポストに
応募して「転職」
メンバーシップ型は、定期人事異動制度
特定の職務の専門家になるのではなく、企業内の様々な職務を経験。
ジョブ型は、資格者、経験者を採用、配置。
労働者は、企業外(学校含む)で教育訓練を受ける。
メンバーシップ型は、採用でも異動でも、当該職務に未経験者をポストに就けるのが普通。
企業内教育訓練が重要。
とりわけ、実際に作業をさせながら技能を習得するOJTが中心。
作成日:2023/03/08
ジョブ型雇用とは何かU