お正月恒例のテレビ番組、欲望の資本主義2023を視聴しました。
世界4カ国の知識人10人の方が意見を述べられています。
スーパーにいくと、連日あれもこれも値上がりしています。
特に朝食メニューのコーヒー、パン、マーガリン、ジャム、ミルク、すべて値上げ…
渡辺努東大経済学部教授によると、
日本の物価は「気分」次第が長く続いたとのこと。
渡辺教授の過去の発言では、
日本は2008年ごろから(教授が調査を始められたのが2008年で、実際は1990年代から始まったともいわれている)
ステルス値上げ、シュリンクフレーションをやってきました。
価格を抑え、質または量を減らしてきた…。
値段は変わらないけれど、中身が少しずつ減ってきたり、枚数が減ってきたり…。
当然、賃金も抑えられ、従業員は、知らず知らず、ステルス賃下げげしてきた…。 (ステルス賃下げに訂正)
それは、つまり、世の中のやる気、効率化、インセンティブを犠牲にしてきたことになる。
賃金凍結スパイラルが当たり前になり、暗黙の了解になり、世の中の「気分」=「空気」になった。
(金本位制から消費者物価指数、インフレ率を2%をアンカーとして金融政策をやってきたが、
現在の供給が少ないときのインフレ率修正のノウハウがない。)
日本は「慢性デフレと急性インフレ」と2つの病を抱えている。
経済に詳しくないので、理解が間違っているかもしれませんが、実感としてわかる気がします。
社会の変化は非線形で、過去「失われた30年」、5,6回おきている。(亀田制作氏SOMPOスティチュート・プラス・エグゼクティブ・エコノミスト)
グローバルにおいては、先行者利益囲い込み、勝者総取りの時代となり、
欧米は対応してきたのに、日本にはできなかった。
日本はその変化に、台風一過を待つメンタリティでやり過ごしてきた。
禍を次の飛躍のバネにする世論形成、マクロ政策の議論にならなかった。
過去の歴史を振り返ると
田中角栄氏の日本列島改造論、地価高騰、福祉元年、73年のオイルショック、狂乱物価
第2次オイルショック…
野口悠紀雄一橋大学経済学名誉教授によると
当時、政府は、総需要抑制策で乗り切った。財政出動をストップ、これはこれで正しかった。
需要を減らし、そして、賃上げを抑制した。
この難局を乗り切ったのは、国民の一体感ではなく、企業の一体感(賃上げすると企業がだめになる。みんな一つの船に乗っている)であり、1940年代、戦時中にできた企業別労働組合を中心に一致団結して、省エネ、低賃金で危機を乗り切った。
この企業一体感が戦後の経済成長を支えた。
(物価の上昇が賃金の上昇に転化しなかった。)
二度のオイルショックの成功体験、
80年代、行財政改革と民営化、そして、バブル…あまりにひどかったため、全て台無しになってしまった。
日本は、実は、資本主義ではなかった。(小幡績経済学者)
共同体的習慣を残した日本は、全体ではなく、自分を守るために意思決定しない、気分が支配。
システムは存在しないのに、空気を読んでいる。思考が停止した。誰も意思決定しない方向に逃げ込んでいる。
企業の成功は資本主義ではなかった。
日本では、実は近代資本主義は成立しなかった。
森田長太郎氏(SMBC日興證券チーフ金利ストラテジスト)
1970年代、アメリカ、ヨーロッパ北欧では、経済成長の限界を感じ、対策を打っていた。
しかし、日本は二度の成功体験で、自己意識としての経済大国、遅れてきた経済大国として、
社会構造を変えていく少子化、高齢化の問題への取組みが遅れた。
難しいけれど、今を知るためにも、過去の学習はとても大切だと思います。
個人的には、もっと、詳細に取り上げて欲しいです。
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作成日:2023/01/21
欲望の資本主義2023(今やロールモデルはない)T